お前は嫁と年を越せ
"ここネオ・オタクシティーには二種類の人間が居る――
セーラームーンのテーマソングを日本語で歌える人間と、そうでない人間だ。"
("ANIME CRIMES DIVISION"Ep.1より)
よく来たな。俺はジョン=スパイラル・グッドスターだ。
「タイミング的にクリスマスの高難易度攻略か冬コミの告知か?」そう思ったお前には残念だが、今回俺が紹介するのは、"ANIME CRIMES DIVISION"という海外ドラマだ。
もしかするとお前は、「海外ドラマ……?なんかデコボコ家族がトランプするやつとか科学捜査班かファンタジーだ」などという、きわめて胡乱かつ曖昧なイメージによって海外ドラマを決めつけているかもしれない。アメリカと日本、そしてメキシコとの生活の違いから、取り付きづらいコンテンツだと思っているかもしれない。
あるいはもしかすると、AXNやネットフリックス、アマゾンプライムとかに契約しなければ見られないパンダめいた存在だと思っているかもしれない。
だが、違う。この"ANIME CRIMES DIVISION"はEp.3までyoutubeで配信されているし、いまのところすぐにみられる。そして……取り付きづらいという心配もない。何故なら、この作品はANIME CRIME……つまり、敢えて訳すならオタク犯罪を取り扱った刑事ドラマだからだ。
オタク犯罪。それはネオ・オタクシティーに巣食う悪であり、オタクのオタクとしての尊厳を踏みにじる非道な行為だ。抱き枕密輸や、遊戯王カードの闇取引、ガンプラの猟奇的破壊……そうした犯罪に立ち向かうのが、主人公の属するANIME CRIMES DIVISIONなのである。
もちろん、登場人物の大半がオタクだし、だからこそ彼らは大まじめに事件を捜査する。少し海外ドラマを知っているお前にたとえて言うなら、科学捜査を全部アニメ知識に置換したCSIと言ってもいいだろう。
このオタク濃度の濃さは、この記事の頭のセリフに集約されていると言ってもいい。一度なりともオタクという言葉に関わりを持ってしまった人間なら……きっと、この作品が気に入るはずだ。
なお、「ガンプラとか抱き枕とかモロに出てるが大丈夫なのか?」と思うヤツもいるかもしれないが、このドラマの制作元はCrunchyroll……つまり、海外でのアニメ配信の元締めで、俺が思うに日本でいうところのバンダイチャンネル的な存在だ。だからたぶん、そのへんは大丈夫なのだと思う。
唯一惜しむらくは、セカンドシーズンがCrunchyrollでしか配信されていないことで、日本からは登録・アクセスできないことだ。だから、今俺にできるのはこの作品を少しでも広めて、どこかのサイトが配信してくれるのを待つことだけだ。そう……そしてそれは恐らく、いつかの日に、海外のアニメファンが通った道でもあるのだろう。
こんかい、俺が言いたいことは、"ANIME CRIMES DIVISION"を見ろ。そして……自分の『嫁』は、大切にしろ。それだけだ。